よく広告で見かける「格安ホームページ(サイト)制作」の中身とは
ネットを閲覧していると、制作の仕事をしている関係上よくホームページを「49,800円で作れます」「19,800円で作れます」なんて広告が表示(マッチング)されるんですが、やはり気になるのでたまにサービス内容のチェックを行ったりしています。
当然ですが、2~5万円程度でサイトを作成して「ハイ終わり」では事業者として利益は確保できませんので、初期費用でいくぶんか支払って、月々5,000円程度(あるいはもっと)の管理費から利益を計上していくというのがこういったサービスのビジネスモデルとなります。
さらに言うと業者のサイトにはほとんど掲載していることはありませんが、実際は最低契約年数が決まってたりします。なので、サイトを発注する側としては
月額費×12ヶ月×契約年数 = 総支払額
といった経費を見込む必要があるでしょう。
ここで一つ例として初期費用4,9800円の月額5,000円を3年契約で行ったとすると、総支払額は229,800円となります。まぁこれくらいであれば割と良心的な値段ですね。
業者が安くでサイトを提供できるカラクリとしては、テンプレートを使う事にあります。テンプレートを使えば業者としては制作コストを簡略化でき、コストを抑える事ができます。ブログの仕組みを一般サイト用にしたと考えれば分かりやすいでしょう。
格安業者のサイトにある実績サイトをいくつかご覧いただければ分ると思いますが、どれも似たようなデザインであったり、当たり障りのないデザインになっているはずです。
中には凝ったデザインを実績として掲載している場合もありますが、それは宣伝している格安金額でとはまた別のプランを使用しています。サイトを作成するうえでデザイン費はコスト面で大きな割合となります。全体の費用を下げるには、デザイン費を如何に抑えるかがカギになるのです。
格安HP制作サービスを使うにあたっての注意
必要最低限の契約では、サイトとして効果をもたらのはかなり難しいでしょう。当たり障りのない似たようなサイトはユーザー(消費者)からしてみれば個性を感じないので印象に残りにくくなります。
ちょっとネットに慣れたユーザーからしてみればテンプレートを使ったデザインだと言う事がすぐに分ります。
最低限のプランでは物足りないのであれもこれもと取り入れればすぐに数十万費用が積み重なります。そうすれば普通にサイトを制作して納品してもらうのと変わらない金額となるでしょう。
もうひとつ気を付けておきたいのが、違約金とサイトの消滅。
いっとき運営してみたけどやっぱ効果ないので契約を解除しようとすると、最低契約期間に達していない場合は違約金を支払うことになりますし、多くの場合は契約解除とともにサイトは消滅します。
通常であれば、費用をいただく代わりにサイトを制作してそのデータを一式納品します。そのままサーバーの管理をお願いされれば、データをお預かりして運用しますし、もし管理を別にお願いしたいとなればサイトのデータをお渡しします。
しかし格安業者の場合は、サイトのデータをサーバーごとレンタルするという形態がほとんどですので、契約解除と共にサイトがなくなってしまいます。そうなると、せっかく世間に認知してもらったサイトも無に返ってしまいます。
サイトを運営するにあたってドメインも取得することでしょう。サイトの運営を他の業者に移すにあたってドメインが移管できるのかも確認しておくべきです。
せっかく検索エンジンに認識してもらったドメインも、使えなくなるのであればまた一から育てる必要があるからです。
格安HP制作サービスはどういった人が使うべき?
散々格安業者の悪口をいっているように見えますが、決して使うなと言っているわけではありません。
初期費用を抑えてそれなりのサイトを運営できるので、事業を興したばかりで資金に余裕がない、いっきに費用を掛けられないといった会社には都合のよいサービスとなるでしょう。
もし事業が順調になりサイトをパワーアップさせたいのであればそのときに業者(ここでは格安業者)にお願いして上位のプランを使用すればいいです。
リニューアルする際、業者を変えたくなってもドメイン移管ができないところだと、今まで育てたサイトがゼロに戻ってしまいますのでやはり前述の理由でドメインの移管が出来るかの確認は必要です。
こういう人には格安HP制作サービスは向かない
もちろん格安サービスがどこまで対応してくれるかにもよりますが、一般的な見解としてはブランディング志向の強いサイトであったり、独自のカスタマイズを必要とするサイトには向きません。
商品であったり会社の色を出したいとか、個性的なイメージを打ち出してユーザーに覚えてもらいたいなどの要望であればテンプレートを使ってだと中々難しくなります。
独自のシステムを実装するにしても、サーバーやCMS(管理システム)が対応していなかったりしている可能性があります。
そして将来的にサイトをスケールアップしていこうと考えている様であれば、ドメインの移管やサーバーの移設などに制限があると、限度があります。
最後に
サイトは扱うサービスや商品の属性によってデザインや構築環境を合わせて作る方がユーザーに使いやすいサイトとなり、結果的に効果を発揮します。
なるべくそれぞれに合ったサイトを情報設計の段階から作り上げた方が良いでしょうが、予算も限られているようであれば上記の内容を加味したうえで色々と業者の話を聞いて検討していただければと思います。