美容室・飲食店が競合より一歩抜きん出るチャンス
- 2014.07.10
- マーケティング
私が中学3年のときに坊主の校則は廃止になったのですが、それまでは男子は坊主にすることが義務付けられていました。同年代でも都会で育った方にはありえないようなきまりだと思いますが、地方ではそういった校則がまだ残っている様な時代でした。
高校生になり前髪は眉毛にかかってはダメ、もみあげも禁止。えりあしも原則刈り上げるなんて時代遅れの校則が存在し、坊主の反動からそういった締め付けの校則に必死に抵抗していたことを思い出します。
さて、高校生になった私は少しずつオシャレに目覚めます。
それまでは、坊主にするだけでしたので通っていたのは床屋でしたが、おしゃれなメンズは美容室でしょ!ってことで高校生になって美容室デビューをし、以来床屋に足を踏み入れた事はありません。
(だからオシャレなのかといわれればまた違う話になりますが)
前置きが長くなりましたが、そういった背景もあって髪を切るときは未だに美容室に通っているということを話したかったので。
美容室ではスタイリストに施術しながら会話をする機会が多くありますね。美容室に通ってる人は、よほど会話が苦手な人以外は普通に会話を楽しんでいることと思います。
私はこういった会話は異業種の方の考えを聞けるチャンスだと思ってスタイリストから色々聞き出すのが好きす。
また、仕事柄ITに関連した質問をすることがよくあります。
とっつきやすいので手始めに施術されながらいじっているスマホの会話から始めます。
美容室のスタッフがどういったスマホを使っているのか?どういった使い方をしているのか?
スマートフォンは今でこそシェアが広がりましたが、美容関係の方ではフィーチャホンからスマホに切り替えを迷っている人が多くいるように感じました。
また、美容室の店長と会話する機会もよくあるので、職業柄自店舗のホームページに関してどう考えているのかをよく聞いたりしています。
まぁ聞いたとこではだいたい自店舗のサイトは持っていないという回答を聞きます。理由は簡単です。ホットペッパービューティーなどがあるからわざわざホームページを作って集客する必要がないと考えているからです。
私もホットペッパービューティー(以下ホットペッパー)を見て店の相場やサービスをチェックすることがあります。
美容室というのはお客様の流動性が高いので常に新規のお客様を呼び込まないといけません。そういった理由からホットペッパーの中で常にお客様の目に触れやすいように広告費を払う必要があります。
ホットペッパー自体美容室を探す時に必ずと言っていいほど参考にするサービスですので、そうとうなアクセスがあると容易に想像できますが、その中で掲載しているお店から広告出稿してもらっていますので、優れたビジネスモデルだと感心してしまいます。
でも、同時にこのサービスに依存しすぎている現状に疑問を持っています。
ホットペッパーに掲載されている店舗の情報は基本的な情報は抑えられていますので役には立つのですが、それぞれのお店の特色というものが出づらくもなっています。独自の情報提供ができていません。
値段やサービスの情報はもちろん大事ですが、どういうとこにこだわっているのか?どういう雰囲気なのか?他の店とどうちがうのか?
もちろん自由に店舗側が提示できるスペースもあるのですが、枠が足りないと思います。
さらに独自に機能を付けたりといったこともできません。
ホットペッパーだけの情報提供に限ってしまえば他の店舗と差別化をアピールするには弱い部分があります。
ホットペッパーに出稿する店舗はほとんどがリクルートの営業から提案されて出稿しているのでしょう。
「他の店も同じように広告を出してますよ。」「広告を出さないとお客様に見てもらえないので来てもらえませんよ。」
まちがいない!これを否定する気はさらさらありません。実際広告を出すのをやめれば目に見えて顧客の入りが減るのが分かるでしょう。集客をホットペッパーだけに依存していれば広告を出さざる負えないのは当然でしょう。
では、これに甘んじているのが正解なのか?いや、もっと店舗側で出来る事はあるはずです。
もし、他にはない差別化できるようなサービスがあるのなら。ホットペッパー以外でもアピールすることを強くお勧めします。
すでにネット経由での情報提供ならホットペッパーがあるからそれで間に合っているという言い分も分からなくはないですが、それでは他の店舗よりも抜き出てお客様の心を響かせる事はできません。
ホットペッパーだけで満足している店が多い今だからこそ、それ以上の情報提供をするためにも自店舗のホームページを持つ事をおすすめします。
先ほどもこの業界は流動性が高いと言いましたが、流動性が高い一つの要因はクーポンにあると思っています。
クーポンを使って少しでもお得に施術してもらおうというお客様は、常にキャンペーンで安くなっているところを渡り歩いているのでお店への定着率が低いはずです。
私自身もクーポンで少しでも安くなるのはうれしく思いますが、それよりも自分に合うところで髪を切ってほしいと思ってます。自分の髪の癖を把握しているお店で安心して施術してほしいです。
毎度毎度自己紹介を交えつつ自分の髪の癖を説明するよりも、あうんの呼吸で施術してもらう事を望んでいるお客様も多いと思います。
そこで、安定したお客さまを増やしたいのなら、クーポンだけに頼った集客から脱却しなければなりません。
安定したお客様を獲得するには店の方向性にマッチしたお客様に来店していただくことです。
たとえば、縮毛強制の技術が高いのであればそこに需要のあるお客様へアピールするとか、その店舗で提供できる強みを独自のホームページで多くの情報の提示をすることが出来れば、安定した顧客の獲得へとつながるでしょう。
私が美容室でいろいろ話を聞いた感覚としてになりますが、一日中パソコンにかぶりついている様な職種ではないので、ITに関してそこまで知識の高いという印象は見受けられませんでした。
ホットペッパーのサービスに予約システムが付いてても、管理しきれてないようですし、営業時間が変わったのに変更されず放置されている様な店舗もあります。
「今までそれでなんとかなったから。」「まぁそれでもお客さんは来てくれるし、運営はできているから。」
断言しましょう!こういった考えでは今後時代に取り残されます。
今ネットを使って広告を出している状態で、とりあえずネットの販促をしているつもりになっているという気持ちになっているのでしょう。でもまだまだやれることはたくさんあります。
近隣の店でまだITを取り入れてない、ネットの販促に力を入れていない今がチャンスです。
これからの時代、小規模な店舗とはいえども生き残っていくのはITを制したものだけです。
ホットペッパーの広告だって年間数十万から数百万掛っていることを考えればホームページに数十万掛ける事は費用対効果を考えても高いパフォーマンスを得られます。
タイトルに飲食店と書きましたが、ここまで飲食店の話がいっさい触れられてません。
しかし、ここまでの話はそっくり飲食店にも言える事です。
大手の飲食店は自社サイトを運営している事は多いのですが、小規模の店舗がホームページを運営しているところはかなり少ないです。
美容室と同じような理由だと思いますが、お客様に独自に提案できるサービスや料理があるのなら絶対に自前のホームページでアピールするべきです。食に意識の高いお客様は、店舗運営のサイトからの詳細情報を欲しています。
いまひとつ集客が伸び悩んでいるようでしたら、横並びの情報提供から一歩抜き出てお客様のハートに響くセールスをお勧めします。