ネットモノが売れない理由とは?

ネットモノが売れない理由とは?

ネットショップを作ったが全然売れないといった相談を受ける事があります。そういった方達に共通していえるのが、特に戦略をもって挑んでいるというわけでないということです。
「ネットショップを作りさえすれば売上を増やせる!」といった時代はとっくに終わりました。
今はネット上には星の数ほど存在していますから、その中から他のショップを抑えてお客様にアプローチしなければなりません。
たくさんのライバルがいるのに何の努力もなしに優位に立てるわけありません。

一つの失敗例をあげてみましょう。
セレクトショップを経営しているAさん。店舗の売上がそれほど多くないのでネットショップを立ち上げて販売チャネルを増やそうと考えたようですがネットからの注文もほとんど無く、無駄に維持費だけ掛っているようです。まあ維持費といっても簡易なネットショップ作成サービスを利用しているので月々の維持費はたいしたこと無いのですが、オリジナルのデザインを作る為に制作会社に依頼したので、作成に掛った費用も当然ペイ(回収)できない状態です。
ちゃんとプロに頼んでしっかりしたデザインでショップを作成したにも関わらず全然売れてないのです。でもここにAさんの勘違いがありました。
制作会社からしてみれば依頼があれば要望に従ってサイトを制作しますが、必ずしも「売れる」ように戦略を考えてくれるわけではありません。
Aさんからしてみれば、ネット上にも販売チャネルを増やす。セレクトショップなのでこだわりをアピールするために制作会社にきっちりデザインしてもらってネットショップを構築する。これで売り上げがあがると思ったようです。

また、セレクトショップなので、オーナーのこだわりの品を取り揃えており、こだわりなだけに安易に価格を下げたくない。価格競争はしたくない、高級感を保ちたいという風におっしゃってました。

しかしながらネット上ではそれはあまり意味を持ちません。
規格・品質が特に変わらないのであれば、ユーザーは安い方に流れてしまうのがネットの特徴です。商品名で検索すれば取り扱っている店はいくらでも出てきますし、大手のネットショップのモールで値段比較も容易に出来てしまいます。
私もコンタクトレンズをネットで購入しますが、メーカー品ですので一番安くで扱っている店舗を探して購入してます。もちろん価格だけでなく付随するサービスで選ぶ場合もありますが。

あなたがそのショップで買う理由とはなんですか?

せっかくユーザーに訪問してもらっても、そのショップで買う理由を与えなければ単なる比較対象店として見られるだけで、最終的に購買対象外となるだけです。

下にざっとユーザーの購買心理をとりあげました。

・ここでしか扱っていない
他で扱っていないオリジナルの商品を扱っている。メーカーから独占販売契約をしているなど、ここでしか手に入らないのであれば選択の余地はありません。

・今ここで買わないと手に入らない
他で品切れになっていて、まだここのショップだと在庫を持っているなど。

・ここのショップの配送が一番早い
とにかく急いでいて、いの一番に届けてくれるショップを探している。

・ここのショップが一番安い
とにかく安くで手に入れたい。一円でも安くで手に入れないと損した気になる。

・ここのショップが信頼できる
ここのショップは色々しっかりしてそう。実績もあるし信頼できる。とにかく安心して買い物をしたい。

・ここのショップの会員になっている
会員になって住所登録しているので手間が少なくてすむ。

・ここのショップにお世話になった
ショップの情報にお世話になった。商品情報など充実していてたくさんの情報を得られたので感謝の意を込めて

・オプションがいい
プレゼント用にメッセージカードを付けられるサービスがついている。
お届け完了通知をしてくれるなど他で扱っていないオプションがある。

まだまだ理由はあるでしょうが、こういう理由をネットショップへ訪問してモノを買っていく人たちの心理や行動パターンを分析してそれに合わせなければなりません。

ECを立ち上げてたにも関わらず中々売れずに困っている方、今一度ショップの解析情報などを元にお客様の行動や心理を研究して戦略を練ってみてはどうでしょう。