客が店を選ぶのと同じように店も客を選ぶべき

客が店を選ぶのと同じように店も客を選ぶべき

少し前にラーメン店でネギ食べ放題で炎上した記事がありました。
ネット上では客が悪い、店が悪いと様々な意見が飛び交っていましたので私なりの考えをまとめてみました。

「ご自由に」のネギを大量に食べラーメン屋を出禁に 法律的に問題は?

どちらが悪いかといった話で議論されてましたが、私の見解からするとどちらが悪いといったことで議論する問題ではないのかなと思います。両者ルールを守ってないわけではないので悪者はいないのではないでしょうか。

店としてはお客様に喜んでもらおうとネギ盛り放題をサービスの一つとして提供しているわけで、度を超えたネギ利用をするお客様の想定をしていなかったのでしょうね。

ということで、ここでお店の取る選択としては、この盛り過ぎ客を容認するか、ネギ盛り放題のサービスを改めるか、度を超えるお客様の利用を遠慮いただく。

実際、記事の店舗はお客様の利用を遠慮いただくという選択をとったのですが、商売ですのでお店のイメージが悪くなってはしまっては客足が遠のいて経営に差し支えてしまいます。

しかし、度を超えるお客様の利用を遠慮いただくことが売り上げへの影響(イメージダウンによる売り上げ低下)がなければそれはそれで良いのではないでしょうか。

他のお客様の視点からしても、一部の利用客の度を超えた利用のせいで気に入っていたサービスが無くなってしまうのは悲しいですからね。

ネギ大盛りのお客様を断ったお店の真意を考える

ネギって店によっては追加トッピングで料金をもらってますし、季節によっては高騰しますので決して安い食材ではないんです。

今回の記事であったような状況になったら、お店側は一応お客さまに盛り放題とはいえあまり度を過ぎるとサービスを辞めざるおえない主旨を伝えても良かったのかもしれませんね。

一方的に次回からの利用を断られたような印象を持ってしまいますが、もしかしたらここに来るまでに店とのやり取りがあったのかもしれません。あくまでもこの辺は私の想像になりますが、記事に出てくる客は、盛り放題って書いてあるのに制限をかけるのはおかしいと騒ぎ立てていることは事実です。

たぶんお店の主旨に納得するとは思えないので、お店としては有無を言わさず利用をやめてもらう判断をしたのでしょう。しかし、これは騒ぎ立てることではありません。店と顧客の契約が成立しなかっただけの話なのです。

ビジネスでいえば、「今までは契約していただきましたが、次回からは契約できません。ご了承ください。」と言っているようなものですね。結局は店が今後の運営を鑑みて相手の申し出を断っただけです。

そして、「次回からの」と言っているくらいですので今回の契約に関しては了承しているのです。店としてはある程度誠意を持って対応していることが伺えます。

店も客を選ぶのが当然だし、成長している店は実は選んでいる

三波春夫さんの「お客様は神様です!」といった言葉が独り歩きして間違った解釈が広がったせいか客を絶対的な存在だと勘違いしている人もチラホラいるようです。

お客様は絶対的な存在ではありません。しかしありがたい存在には変わりありません。そして店の今後に悪影響を与える客はありがたくない存在です。

お客様がいなければ店舗は経営できなくなるのは当然ですが、ヤリスギ客が増えてしまうと優良客にも影響が及んで経営を圧迫してしまいます。

末永く利益を上げていくことが本来の目的なのに、ありがたくない存在に付き合っていたがために将来的に利益を失っては本末転倒です。そうならない為にも店は客を選んでいかなければならないのです。とはいえ客を選ぶといっても、店先であなたはいいけどあなたはダメって言うのではありません。客を選ぶとは店としてのポリシー(経営方針)をしっかり築き上げると言うことです。

招かざる客を振り分けるために不良客の無茶な要望には耳を傾けないことです。それでその客が来なくなり、優良客が残るのであればそれは正しい判断です。また、ドレスコードを設けている店を例にあげてみると分かりやすいかもしれません。あれも一つの経営方針です。

先のラーメン屋の話で言えば、ネギを盛りすぎる客に対しては次回から遠慮いただくというのが経営方針ですので、「一般的にそんなにネギ盛ってたらやりすぎだよね。」と一般の優良客に判断してもらえば正しい判断と言えるでしょう。しかし、この「盛りすぎ」といったさじ加減が、「ええ!たったそれだけで!」という風に一般の優良客に受け取られてしまっては、この先客足が減っていってしまうことは容易に想像できます。

地域や業種によって変わってきますので、どこまではするけど、どこからはやらないみたいなさじ加減が非常に難しいところです。しかし、成長している店舗はそういったポリシーをしっかり確立しています。だからこそ効率も良くなるし、利益を上げていけるのです。

まとめ

ルールの範疇だからといって度を過ぎたことをすると、店はサービスをやめるかもしれませんし潰れるかもしれませんし、はたまた利用を断られるかもしれません。

結局は自分の首を絞めることになりますし、末永くよりよいサービスを提供してもらうには店と客との共存が大事ですね。